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オークションが熱い。
オークションって言ってもサザビーズやクリスティーズなど、落札金額が$8,000,000や$50,000,000にまで釣り上がる、伝統的な誇り高きオークションなどではない。
ネットオークションだ。ヤフーやビッダーズ、楽天などさまざまな種類のオークションがネット上に氾濫しているが、それらは老若男女問わず多くの人々から支持され続けているのである。
確かにわかる。普通に新品を買うより中古品を買ったほうが安いし、新品でも必要のない人が出品して小遣いを稼ぎ、それを必要している人が安く購入できるのだから一石二鳥だ。
お店で買うには恥ずかしいものなどもオークションで買えば誰にも知られずこっそり買えるし、田舎暮らしのため都会でしか手に入らないものもオークションならば簡単に手に入れることができる。ジャスコで買った服を着ている友達たちの中でひとり、代官山の古着を重ね着してノスタルジックに決めたり、渋谷のB系でゴージャスきらびやかにブイブイ言わせたり、原宿のロリータファッションに身を包んで「○ △村のフカキョン」として親しまれたりすることだって夢ではない。会社の同僚たちに見栄を張って夏休みはハワイの別荘で過ごすと嘘をついてしまっても、オークションで現地のお土産を調達すれば同僚たちもコロッと騙される。
オークションは服、家電、車、食品、CD、チケットなど、ジャンルを問わず何でも揃っているのである。今では臓器や処女までも売っていたりするのだから、もうオークションにはないものはないと言えるだろう。
そんなオークション全盛期、この繁栄ぶりを指をくわえてうらやましそうに見ている一人の男がいた。目をしばしばさせながらも凛として見つめている一人の男がいた。新宿の高層ビルの上から六本木ヒルズを見つめる男がいた。
石原慎太郎だ。
東京都知事・石原慎太郎だ。
しかし、なんと言ってもあの石原慎太郎だ。23歳で芥川賞を受賞し、国会議員、そして東京都知事にまで昇りつめ、太陽の政治家と呼ばれる石原慎太郎だ。戦後最大の銀幕スター・裕次郎を弟にもち、長男の伸晃は国土交通大臣として小泉内閣で大活躍の、石原慎 太郎だ。ただ、次男・良純がお天気キャスターとしてお茶の間で大活躍ってのが少々気掛かりだろうが。「得意なこと:早起き、苦手なこと:夜更かし」と、至極つまらないことしか言えない次男が不憫で仕方ないであろうが。好きな食べ物は「なると」と平気で言う姿に悲しくなってしまっただろうが。
そんな有能政治家・石原慎太郎がこのオークションの繁栄を黙って見ているわけがない。石原さんはそんな日本で最も活気のあるオークションに目をつけ、それを日本の首都・東京の権力を使って都政に引き込もうと目論んだ。
それは、東京都主税局主催による「公売オークション」だ。東京都が差し押さえた都税滞納者の財産を売却し東京都のために役立てようというものだ。
なんと画期的な政策であろうか。財産をお蔵入りさせるのではなく、それを売り飛ばすと考えるなど斬新すぎる。さすが石原さんだ。さすが太陽の政治家だ。さすが「東京から日本を変える」と公言しただけのことはある。名門・石原家で「おやじ、俺、気象予報士になりたいんだ」と小さな夢を主張されても目をつむるだけのことはある。「なるとバーガー」を作ってしまっても何も文句を言わない広い心を持っているだけのことはある。
東京都にはそんな石原さんが君臨しているから私たち東京都民は安心して毎日を送ることができる。3,889,000円のロールスロイスや5,602,000円のグランドピアノなどを売り飛ばしてくれるから私たちはひもじい思いをすることなく生活することができるのだ。石原さんあっての東京なのだ。太陽の男による太陽の都民のための太陽の東京なのだ。石原さんの力を持ってすれば、マクドナルドで「なるとバーガー」を販売することもできるのだ。

では、肝心の日本はどうだろう。小泉さんはどうだろう。
いや、小泉さんも努力していることは認める。世間の反対を押し切って自衛隊を派遣したり、隣国のカリスマデブ総書記と交渉のため近距離まで接近することをためらわなかったり、石原さんにあやかって「狂った果実」のリメイクに息子を出演させたり、精力的に活動している姿勢は素晴らしい。しかしそんな息子もその後結局目立った活動がなくなってしまったが。

しかし、このままでいいのだろうか。このままで国民は黙っているのだろうか。石原さんと小泉さんはよく比較されているが、日本の最高指導者である小泉さんは石原さんに劣っていないのであろうか。
国民の声が聞こえてきそうだ。イライラを募らせた日本国民の間から小泉さんに向かって訴える声が聞こえてきそうだ。日本を改革するために国民たちが訴えてきそうだ。
日本という国を変えるべき声が聞こえてきそうだ。
「日本を売れば?」
そう、日本を売ろう。日本をオークションにかけるのだ。

日本オークションスタート!!
さあ、あなたならいくらで入札しますか?
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