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| Chapter.02 都市バス 2002.1.23 |
| 先日、都バスに乗った。だからどうしたと思うかも知れないが、バスというものは私にとって未知の存在である。普段バスなど乗らない人間にとっては、非常に難易度の高い乗り物である。 |
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まず、どこの乗り場に行けばいいのかわからない。都バスには(東20)だの(亀15)だの何やらへんてこな記号がつけられていて、こんな暗号文字など都バス職員かバスマニアにしかわからないだろう。そして、目的の方面への乗り場を見つけたとしても、ひとつの乗り場には複数の方面のバスが停まるので、来たバスにそのまま乗っていいものか不安にかられる。さりげなく時刻表を見て行き先を確認しようと思うのだが、時間通りに来てるとは限らないのでどうにも確かめようがない。しかし、ここでバスの運ちゃんに「このバスは○○まで行きますか」と聞くのはかっこ悪い。そのため、かなり不安になりながらも平然ぶって列の流れに沿って乗ってしまうのである。 |
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バスの運賃もまた不安要素のひとつである。電車のように券売機でゆっくり吟味しながら切符を買えればいいのだが、バスの場合、乗った瞬間に現金を払わなければならない。そのため、無駄のないスピーディーな動作と適格な判断力が必要とされる。しかし、いくら払えばいいのかも、どこにコインを入れるのかもわからないためどうしてもうまい動きがとれず、その結果、列の流れを止めてしまうことになる。「ちっ」と舌打ちが後ろから聞こえようものなら冷や汗倍増である。 |
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そして、どうにか運賃を支払い、バスに乗っても安心してはいけない。ここからがヤマ場である。行き先の確信がないまま乗ってしまったため、果たしてこのバスはちゃんと目的地まで私を連れてってくれるのだろうかと不安にかられ、心臓バクバクである。そんな私の不安を解消してもらおうと、藁にもすがる思いで車内に貼られている路線図などを食い入るように見るのだが、複雑すぎて余計不安がかきたてられる。とりあえずそんな情けない姿を他の乗客に悟られないようにと平静を装って窓の外などを眺めているのだが、意識は常に車内アナウンスに集中である。 |
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目的地を告げるアナウンスが聞こえ、やっとここで一息と思いきや、ここからまた新たな試練、”降りる方は押してください”という、あのボタンである。誰かが押してくれればいいのだが、誰も押す気配がないと、いつ押せばいいのかわからずにしばらく様子を見るものの、バスは着々と目的地に向ってまっしぐらであるため、再び自我との葛藤である。 |
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おそらくアナウンスと同時に押すのは初心者っぽくてかっこ悪いと思い、ちょっと間をおいてから押すのが、イケてるバス乗客の証なのだろうと目論んだ。目的地に近付きつつあるバスにドキドキしながらも少々ためてからボタンを押そうとしたその瞬間、パッとボタンが光ったりしてしまうと、ちょっと照れくさくなりながら手をひっこめなければならない。 |
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目的地まであと一歩!とりあえず試練を乗り越えた気分でバスの到着を待つ。しかし、こんなボタンひとつで運ちゃんはちゃんと停まってくれるのだろうかと、余計な心配までしてしまう。ボタンが点灯したら、「はい、了解ですー」と返事でもしてくれればいいのだが、全く無反応なので心配でしょうがない。もしかしたら気付いてないこともあるかと思い、早めに立ち上がりさりげなくドアのあたりに立ち「降りる人がいます」とアピールしてしまう。 |
| ようやく目的地に到着し、どうにか恥をかかずに済んだことでちょっと大人になった気分に浸りながらバスを降り、無事私を送りとどけてくれたバスに感謝しながら歩き出す。
ププーーー! 「危ないからバスの前を通らないでください!」 すいません、初心者なもんで。 |